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外が明るくなりだした…
“少し…横になる?”
紗羅が聖に尋ねる
“いや…
このまま出勤する…”
“そう…”
ぎこちない会話の後は
また沈黙が続く…
何を
どう
切り出していいのか…
結局
何も言えないまま
聖が出勤の準備を始める…
何も
言えなかった…
と紗羅は思い
どうしたらいいのか…
と聖も思う…
すれ違った心のまま
聖はネクタイを締め
“行ってくる…”
と玄関へ向かい
“いってらっしゃい…”
ぎこちなく紗羅が応える
見送りは…なし…
そりゃそうだ…
聖は
自分の身勝手さを笑った…
革靴に足をいれたとき…
何かが背中にぶつかった…
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