決着をつける時

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“紗羅… ごめん…紗羅… 誰よりも 紗羅の事が大切なんだ… 傷つけたくなかった… 途中からは 紗羅を…失いたくなくて…必死だった… 必死だったんだ” 紗羅は 抱きしめられながら 聖の胸を泣きじゃくりながら ずっと叩き続けた “すみません… 体調が悪くて… 今日は休みます 有給をお願いしたいのですが… ええ… その説明も明日…必ずしますので… 申し訳ありません…” リビングから聖の声が聞こえる… 泣きじゃくる紗羅を 抱き上げると 聖は寝室のベッドの上に寝かせ ブランケットを優しくかけた… すぐに眠ってしまったのか… 気を失ったのか… 気がつくと 聖が会社に有給を出す電話をかけていた… 昨日の今日というのに 聖を休ませてしまうなんて… プロジェクトのリーダーでもあるのに… こんなだから… 私はダメなのかな… 紗羅はボーッと天井を眺めながら 溜め息をついた…
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