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夫婦として
ベッドの中で
自己嫌悪に苛まれながら
天井を見つめていると
聖が寝室にやってきて
紗羅のすくそばのフローリングの床に座り込んだ…
聖がポツリポツリと話し始める
それは
川野夫婦が引っ越しの挨拶に訪ねてきた朝よりもずっと以前の話から始まった…
長い長い話だった…
その話の中には
以前、池辺さん家族と行ったBBQで偶然に立ち聞きした話も入っていた…
歯車が…
どんどん合っていく…
裏切りはなかった…
と同時に
人の執着の怖さを知った…
そこまで
聖に執着したきっかけは
今でもわからないけど
得体の知れない心の闇って
誰にでもあるのかもしれない…
きっと
自分の中にもあるのだと思う
その闇に
正面から向き合い
自分は
どう生きたいのか…
どう生きようとしたのか…
夫婦も同じで…
生まれ育った環境も違い…
お互いの知らない時代を経て
知り合い…
知らない時間を埋めるように
寄り添い
慈しみ合う…
時には
悲しみを共有し…
時には
ぶつかりながら…
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