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01.秘密の幼なじみ
「長内ちゃん、仕事慣れてきた?」
「はい!皆さんがよくしてくれるお陰で。まだまだミスばかりですけど……」
「いいのいいの、新人のうちは間違えるのが仕事なんだから!」
癒しのランチタイム。慌ただしい業務時間中とは違って、柔らかく笑ってくれるのは先輩の片寄さん。
入社してもうすぐ9か月の私、長内美桜の直接指導者でもあり、入社以来、新人の私に気を使ってこうやってお昼には一緒にお弁当を食べてくれる優しい人だ。
前までは食堂で食べていたらしいのに、わざわざ社内でまとめて注文しているお弁当に切り替えてくれたらしいから、本当に優しさで溢れてる。
「長内ちゃんはいつもお弁当でえらいよね〜
私、朝はバタバタしてお弁当なんて作る時間なくて」
「え!私も自分では作ってないですよ!料理全くダメで……」
「え?そうなの?インスタ映えしそうな可愛いお弁当だからてっきり。あれ、でも……一人暮らしじゃなかった?」
怪訝そうに眉を寄せて首をかしげる片寄さんに苦笑いを浮かべて、事情を説明すべく口を開く。
「親戚がすぐ近くに住んでて…作ってくれるんです。」
「え?!なにそれ、素敵!私もそんな親戚欲しい」
「あはは、本当……助かってて」
そう言いつつ、唐揚げを箸で持ち上げ口に放り込むとジュワッと肉汁が口いっぱいに広がる昔から大好きな味。
幸せな咀嚼を楽しんでいれば、「みーおちゃん」と言う軽快な声と共に肩をぽんっと叩かれた。
その声の主に私より先に反応したのは片寄さんで、振り返らずともそれが誰なのか分かってしまった。
「げ、浜崎」
「片寄さん、ちわーす。」
浜崎さん。隣の係の男性社員で入社3年目の先輩だ。
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