優しい悪夢

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昨日と今日の境目がなくなったのは、数か月前からだった。 熱を出したときのような気怠さを感じて目が覚める。 「熱い、熱い……!」 すぐに体が火照り、汗が吹き出す。 11月下旬、暖房のついていないしんとした寒さの部屋だというのに。 どうにも熱を逃せず、ひとみは今日もパジャマを無造作に脱ぎ捨てた。 長袖長ズボンを床に落としていく。 半袖シャツでベッドに腰掛け布団を剥ぎ、冷たい水を取ろうと冷蔵庫へ向かった。
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