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朝陽はすべてをひとみに与えてくれる。
物理的な衣食住も、精神的な居場所も。
朝陽がいなければ、もう生きていけない。
だからひとみは、一生気付かないふりをし続ける。
ひとみが悪夢で目覚めたときに一瞬彼の口角が上がることに。
睡眠薬の副作用として悪夢があり、それによってひとみが覚醒する時間には必ずひとみの身体の自由を奪うように抱きすくめ、ひとみがもがくことで悪夢が助長されていることに。
だからちゃんと微笑むのだ。
「ゆっくりおやすみ。今日こそは、良い夢を」
そう囁いて渡されたホットミルクのマグの底に、溶け残った錠剤を見つけたとしても。
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