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わぁっと叫んだひとみが自分の声で目を覚ます。
助けてともがくように伸ばした手のひらを朝陽は待ち受けていた。
その手を掴み、ぐっと引き寄せる。
ひとみは夢と現実の境で溺れ、無我夢中で朝陽に縋る。
「大丈夫?」
「朝陽くん……」
混乱するひとみの背をなで、耳元で声をかける。
「随分うなされてたよ。大丈夫、俺はここにいるから」
ぐす、と鼻をすする彼女に、
「もう見てるのつらい。少し休もう?俺のそばにいてくれたら、何もいらないから」
と畳み掛けた。
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