3#そうだ!生まれ故郷へ行こう。

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 ツキノワグマのゴンダに俺の本来の故郷を教えて貰らい、俺の胸は希望と期待に大きく弾んだ。  あの山を超えて行けばいいんだ。  そして、その超えた山も超えればいいんだ。  そしてそのまた来る山も超えて、更に山も超えて、そしてそして・・・!!  俺は脇目を振らず、一心不乱に走り続けた。  そうだ!!生まれ故郷へ帰ろう!!  あの山の向こうの向こうの向こうの向こうよそのまた向こうの!!  更に山の向こうに拡がる海を渡れば、俺の本来の生まれ故郷にたどり着ける!!  待っている!!きっと俺の帰りを待っている!!  あの遥か向こうの俺の生まれ故郷の世界に!!  俺は腹を空かせる暇も無く、喉の乾きを癒やす暇も無く、一心不乱に遥か彼方の俺の故郷へ向かって駆けていった。  しかし、走れども走れども、一向に生まれ故郷への道へは辿り着けない。  遂に俺は疲れ切って地面に倒れ込んだ。  疲れた・・・故郷までの道のりがこんなに遠すぎるなんて・・・  しかし、俺の故郷ってどんな場所なんだろうな。  俺のようなアライグマがいっぱい住んでて、俺を慕う雌がいっぱい居て・・・  故郷を想像するだけでも胸が湧いた。  さあ行くぞ!!  俺は居ても立っても居られなくなり、思いっきり奮い立たせると、再び故郷へ向けて走り続けた。  山を超え、そして山を超え、更に山を超え・・・  ざざーーーーーーーん・・・  ん?この音は?!  俺は聞き覚えの無い音を聞いた。  それは、打ち寄せる波の音。  ざざーーーーーーーん・・・  ざざーーーーーーーん・・・  ざざーーーーーーーん・・・  海!!海だ!!俺は遂に海に来たんだ!!  さあ!!この海を渡って故郷に行くぞ!!  俺は興奮して海の波音がする場所へ駆け寄った。  海!!海!!海!!海!!  この海を渡れば!!俺は!!俺は!!  俺は!!  ぶろろろろろーーーー・・・!!  ガンッ!!
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