Ⅱ.通院

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Ⅱ.通院

 ――数時間後。  俺は自転車に跨って近所の内科へと向かった。  母さんが「送って行こうか?」と言ってくれたが、計測してみたら体温は37度8分だったし、行動できないほどではなかったので断った。  高校生にもなればこの程度の発熱なら普通に行動出来る。むしろ俺が今一番つらいのは熱よりも関節痛などの諸症状の方だ。  病院に着く。  今朝よりフラつかずに病院の自動ドアに向かうことが出来るのは、体温が思ったより低かったことによる自信のせいだろうか。それとも出汁の効いた雑炊が身体に染みたからだろうか。どっちもな気がした。  自動ドアの前に立つと、ガラス越しにでも分かるほどガランとしていた。  まだ暑い時季だし風邪の流行時期ではないのは確かだが、それでもこの空き具合には驚いた。  月曜という訳でもないし、朝一番の時間帯も外してきた。だからそれほど混むイメージはなかったが、それでもこんなに空いているのは、嬉しいを通り越して不安にさえなる。    ……この病院そして医者、大丈夫なのだろうか。  近所と言えど久しく来ていないし、不安が募った。  でもここまで受付のお姉さんに見つめられて引き返す訳にもいかず、俺は会釈しながら受診カードをカウンターに置いたのだった。
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