もう元には戻れない

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「こんなのおかし」 「お客様。払えないのですか?」 ガタイのいいサングラスのスーツ姿の男が俺のそばに居て後ろ手を組んでいて、俺はどうしたものかと思考をめぐらせていればサングラスの男は口を開く。 「奥へどうぞ。領主様がいらっしゃいます」 「え?あ…」 俺は店の奥の扉に視線をやる。殴られたり脅されて銀行から金を下ろさせられるとか、そういうやつかと思ったが実際そんな金持ってる訳もなく俺は言われるがまま奥の扉を開けて中へ入る。 店内の煌びやかな雰囲気と違い薄暗い通路にはぐったりと倒れているスーツ姿の男性が居たり何かのシミがあったりした。領主様って誰だ?そもそもどこに行けば良いんだ…? 扉の隙間から明かりが漏れている部屋があり、そこを隙間から覗けば二人の男が居た。綺麗な長い黒髪を後ろで束ねた切れ長の紫眼で、黒いチャイナ服を着ていてアクセサリーもジャラジャラ付けている綺麗な男性とスーツ姿の小太りの男性が居た。 高そうな椅子に座りながら足を組む男性に必死に土下座で謝罪をしているのが見え、俺も土下座しなきゃ許されないのかと思っていればふと紫眼の人と目が合った気がして扉から離れた。 見られた?いやどこに行けばいいかこの人に聞けば良いのか?恐る恐る扉を開けて部屋を見て俺は言葉を失った。
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