もう元には戻れない

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兄貴は俺の指に顔を近づけて、何をするかと思えば人差し指に噛み付いてきた。引っ張ろうとしても力が強く、指が噛みちぎられるかと思うほどだ。 「兄貴!兄貴痛い!!!」 ぶつっと肉の切れる感覚がして血が出ればガシャーンと音がして兄貴は口を離して牢の奥へと逃げ、丸くなり自分の指を噛んでいる。隣を見れば香龍が牢を蹴っていて、足を下ろして俺の手を取り血の流れ落ちる指を見つめて舌を這わせてくる。 「何してっ…!?」 「若い血…興奮してまうなぁ」 「痛っ!?」 傷口に舌をねじ込むようにされ手を引けば、楽しそうに恍惚そうな表情を浮かべて俺を見ている。こいつ狂ってるのか…!? 「宙宙宙ソラソラソラぁ…俺の可愛い宙…」 呼ばれて兄貴を見れば自慰を始めていて、俺の名を呼び続けながら肉槍を扱き続けていて俺はゾワッとした。いや変な薬のせいで兄貴はおかしくなっただけで俺にそんなに気持ちを向けてたわけじゃ… 「盛りのついた猿みたいでおもろいなぁ」 「てめぇのせいだろうが!!!」 「否定はせんけどな」 また胸ぐらを掴めば楽しそうに笑っている。こいつは関わっちゃ駄目なタイプの人間だ…だが兄貴をこのままこんな所に置いておく訳にもいかないがそもそも俺も金がなくてここにいる訳だが…
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