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act.3
──しかし、広海ちゃんの言葉が慰めでも冗談でもなかったのだと知ったのは知樹が帰宅してからすぐのことだった
「曽我! なんでおまえが円佳の前にいるんだよ!」
帰宅した知樹は開口一番広海ちゃんに食って掛かった。
負けずと広海ちゃんも知樹に食って掛かるように言葉を吐いた。
「そんなの円佳を攫いに来たに決まってんでしょう! 浮気下衆野郎の元に可愛い円佳を置いておけるわけがない。わたしがフランスに連れて行く!」
(ひゃぁぁぁー広海ちゃん、知樹にまで冗談を言って──)
まるで質の悪いコントを見ているような気になっていた私。
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