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『第一部 落花流水 第八章 交響曲の旋律と』のあらすじ
この作品は、『天と地が手を繋ぎ合うような奇跡の出逢いは、仕組まれた運命の輪環を廻す(第一部 落花流水 第八章 交響曲の旋律と)』( https://estar.jp/novels/26129320 )の続きとなっております。
また、物語全体のはじまりは、『天と地が手を繋ぎ合うような奇跡の出逢いは、仕組まれた運命の輪環を廻す(第一部 落花流水 第一章 桜花の降る日に)』( https://estar.jp/novels/26084370 )です。
よろしくお願いいたします。
メイシアの父、藤咲コウレンが無事に救出された。ならば、彼女は実家に帰るか、娼婦となるか――である。そのどちらも認めたくないルイフォンは、父イーレオに交渉を持ちかけた。
自分の功績の褒美として、彼女の自由を求めたルイフォンに、イーレオは「藤咲家が、ふたりの仲を認めれば応じる」と答える。そんな条件は楽勝……と思われたのだが、コウレンは奇妙な言動をとった。
コウレンの違和感に悩む一同。そんな中、メイシアの異母弟ハオリュウのもとに、警察隊の緋扇シュアンが訪ねてきた。〈蝿〉の陰謀によって自ら射殺した先輩の名誉を守るため、貴族のハオリュウの書状が必要だったのだ。
シュアンからの情報により、ハオリュウは父コウレンが、ライバルである厳月家の当主の〈影〉にされてしまったことに気づく。そして、異母姉メイシアを傷つけたくないとの思いから〈影〉と密約を交わし、〈影〉のコウレンに「ルイフォンとメイシアの仲を認める」と言わせた。
用済みとなった〈影〉を、ハオリュウは『父の仇として』殺害しようとした。しかし、返り討ちに遭い、絶体絶命のところにメイシアが現れる。彼女もまた、父が〈影〉にされていることに気づき駆けつけたのだ。そして、ハオリュウを助けるため、人質となる。
銃声を聞いて駆けつけたルイフォンは、囚われたメイシアを見て〈影〉に毒の刃を投げる。〈影〉にされてしまった人は、もとには戻らないと聞いていたからだ。
だが、死の間際で、コウレンが戻った。メイシアとハオリュウは『奇跡』と思い、大切な父との最期の別れをする。しかし、救うために殺したはずのルイフォンにとっては、最愛の人の父親を殺したという『罪』となった。
罪の意識に耐えられなくなったルイフォンは屋敷を出た。イーレオにメイシアの解放を乞い、彼女の幸せを望み、彼女に会うことなく姿を消した。
そんなルイフォンを、メイシアは追いかけ、告げる。
「出逢ったときと同じく『私』を差し出します。そして、私が欲しいものは『ルイフォン』。あなたの抱えている痛みも、後悔も、因縁も、罪も、傷も、何もかも全部、含めて『ルイフォン』です」――と。
理性では別れるべきだと思いながらも抗うことなどできず、ルイフォンは彼女を抱きしめ「一生、大切にする」と宣言した。
ハオリュウに貸していた銃を返してもらうため、鷹刀一族の屋敷を訪れたシュアンは、ミンウェイから事件の結末を知らされた。ミンウェイの愚かな優しさに、苛つきながらも癒やされるシュアン。
その後、ハオリュウと面会したシュアンは、孤独なハオリュウに庇護欲を感じ、また共に〈蝿〉を仇とすることから、ハオリュウと盟約を交わした。
駆け落ち同然で屋敷を出てきたルイフォンとメイシアだが、皆のところに戻ることにした。誰に反対されているわけでもないのだから。むしろ皆に祝福されるべきだと言って。
勝手すぎると怒ったリュイセンを説得し、ふたりは無事、戻ってきた。
そしてメイシアは、ルイフォンと共にいるため、自由になるため、表向きは事故で死んだことになった。
ルイフォンとメイシアの出逢いは、仕組まれたものだと〈天使〉のホンシュアが言っていた。そのことを詳しく聞くため、ホンシュアに会いに行こうと約束したふたりだが、ホンシュアは熱暴走を起こして死亡していた。
また、ルイフォンたちに協力したせいで、斑目一族での立場が危うくなったタオロンは、娘のファンルゥを守るために、〈蝿〉の駒となることを承諾した。
事件のショックで気が触れてしまったメイシアの継母のところへ、メイシアとルイフォンはお見舞いに行く。継母の心が戻ってきたのか否か、それは分からぬが、彼らは継母から祝福の言葉を受けた――。
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