『第一部 落花流水 第八章 交響曲の旋律と』までの登場人物紹介

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『第一部 落花流水 第八章 交響曲の旋律と』までの登場人物紹介

鷹刀ルイフォン  凶賊(ダリジィン)鷹刀一族総帥、鷹刀イーレオの末子。十六歳。  母親のキリファから、〈(フェレース)〉というクラッカーの通称を継いでいる。  端正な顔立ちであるのだが、表情のせいでそうは見えない。  長髪を後ろで一本に編み、毛先を金の鈴と青い飾り紐で留めている。  凶賊(ダリジィン)の一員ではなく、何にも属さない「対等な協力者〈(フェレース)〉」であることを主張し、認められている。 ※「ハッカー」という用語は、「コンピュータ技術に精通した人」の意味であり、悪い意味を持たない。むしろ、尊称として使われていた。  「クラッカー」には悪意を持って他人のコンピュータを攻撃する者を指す。  よって、本作品では、〈(フェレース)〉を「クラッカー」と表記する。 メイシア  元・貴族(シャトーア)の藤咲家の娘。十八歳。  ルイフォンと共に居るために、表向き死亡したことになっている。  箱入り娘らしい無知さと明晰な頭脳を持つ。  すなわち、育ちの良さから人を疑うことはできないが、状況の矛盾から嘘を見抜く。  白磁の肌、黒絹の髪の美少女。 [鷹刀一族]  凶賊(ダリジィン)と呼ばれる、大華王国マフィアの一族。  実は、秘密組織〈七つの大罪〉の介入により、近親婚によって作られた「強く美しい」一族。 鷹刀イーレオ  凶賊(ダリジィン)鷹刀一族の総帥。六十五歳。  若作りで洒落者。 鷹刀エルファン  イーレオの長子。次期総帥。ルイフォンとは親子ほど歳の離れた異母兄弟。  感情を表に出すことが少ない。冷静、冷酷。 鷹刀リュイセン  エルファンの次男。イーレオの孫。ルイフォンの年上の『甥』。十九歳。  文句も多いが、やるときはやる男。 『神速の双刀使い』と呼ばれている。  長男の兄が一族を抜けたため、エルファンの次の総帥になる予定である。 鷹刀ミンウェイ  イーレオの孫娘にして、ルイフォンの年上の『姪』。二十代半ばに見える。  鷹刀一族の屋敷を切り盛りしている。  緩やかに波打つ長い髪と、豊満な肉体を持つ絶世の美女。ただし、本来は直毛。  薬草と毒草のエキスパート。医師免状も持っている。  かつて〈ベラドンナ〉という名の毒使いの暗殺者として暗躍していた。  父親ヘイシャオ=〈(ムスカ)〉? に溺愛という名の虐待を受けていた。 草薙チャオラウ  イーレオの護衛にして、ルイフォンの武術師範。  無精髭を弄ぶ癖がある。 料理長  鷹刀一族の屋敷の料理長。  恰幅の良い初老の男。人柄が体格に出ている。 キリファ  ルイフォンの母。四年前に謎の集団に首を落とされて死亡。  天才クラッカー〈(フェレース)〉。  右足首から下を失っており、歩行は困難だった。  かつて〈七つの大罪〉に属していたらしい。  鷹刀一族の屋敷に謎の人工知能〈ベロ〉を遺していた。  もとエルファンの愛人。エルファンとの間に一女あり。 〈ケル〉〈ベロ〉〈スー〉  キリファが作った三台の兄弟コンピュータ。  ただし、〈スー〉は、まだできていないらしい。 〈ベロ〉は、独自の判断で、「敵を全滅する」というルイフォンの指示を無視した。 [〈七つの大罪〉・他] 〈七つの大罪〉  現代の『七つの大罪』=『新・七つの大罪』を犯す『闇の研究組織』。 〈悪魔〉  知的好奇心に魂を売り渡した研究者を〈悪魔〉と呼ぶ。 〈悪魔〉は〈神〉から名前を貰い、潤沢な資金と絶対の加護、蓄積された門外不出の技術を元に、更なる高みを目指す。代償は体に刻み込まれた『契約』。 〈天使〉 「記憶の書き込み」ができる人体実験体。  背中から光の羽を出し、まるで天使のような姿になる。 〈影〉 〈天使〉によって、脳を他人の記憶に書き換えられた人間。  体は元の人物だが、精神が別人となる。 『呪い』・便宜上、そう呼ばれているもの 〈天使〉の脳内介入によって受ける影響、被害といったもの。  服従が快楽と錯覚するような他人を支配する命令(コード)や、「パパがチョコを食べていいと言った」という他愛のない嘘の記憶(データ)まで、いろいろである。 『di;vine+sin;fonia デヴァイン・シンフォニア計画(プログラム)』 〈(サーペンス)〉が企んでいる計画。 〈(ムスカ)〉の協力が必要であるらしいのだが、謎に包まれている。 『di』は、『ふたつ』を意味する接頭辞。『vine』は、『(つる)』。  つまり、『ふたつの(つる)』――転じて、『二重螺旋』『DNAの立体構造』――『命』の暗喩。 『sin』は『罪』。『fonia』は、ただの語呂合わせ。  これらの意味を繋ぎ合わせて『命に対する冒涜』と、ホンシュアは言った。 〈(ムスカ)〉 = ヘイシャオ? 〈七つの大罪〉の〈悪魔〉。  ミンウェイの父で、本名はヘイシャオ。  イーレオが総帥位を奪わなければ、鷹刀一族の中心にいたはずの人物。  鷹刀一族を恨んでいる。   医者で暗殺者。  娘のミンウェイを異常な愛情で溺愛している。 ホンシュア = 〈(サーペンス)〉? = 〈天使〉  メイシアを選び、ルイフォンと引き合わせたと言った謎の女。 〈影〉にされたメイシアの父親に、死ぬ前だけでも本人に戻れるような細工をしたため、体が限界を超え、熱暴走を起こして死亡。 〈天使〉であり、〈(サーペンス)〉と呼ばれる〈悪魔〉の〈影〉でもあった。  ルイフォンとリュイセンのことを知っていたが、彼らは彼女を知らなかった。 ライシェン  ホンシュアがルイフォンに向かって呼びかけた名前。  それ以外は不明。 [藤咲家・他] 藤咲ハオリュウ  メイシアの異母弟。十二歳。  父親を亡くしたため、若年ながら藤咲家の当主を継いだ。  十人並みの容姿に、子供とは思えない言動。いずれは一角の人物になると目される。  異母姉メイシアを自由にするために、表向き死亡したことにしたのは彼である。 藤咲コウレン  メイシア、ハオリュウの父親。厳月家・斑目一族・〈(ムスカ)〉の陰謀により死亡。 藤咲コウレンの妻  メイシアの継母。ハオリュウの実母。  心労で正気を失ってしまい、別荘で暮らしていたが、メイシアがお見舞いに行ったあとから徐々に快方に向かっている。 緋扇(ひおうぎ)シュアン 『狂犬』と呼ばれるイカレ警察隊員。三十路手前程度。イーレオには『野犬』と呼ばれた。  ぼさぼさに乱れまくった頭髪、隈のできた血走った目、不健康そうな青白い肌をしている。  凶賊(ダリジィン)の抗争に巻き込まれて家族を失っており、凶賊(ダリジィン)を恨んでいる。  凶賊(ダリジィン)を殲滅すべく、情報を求めて鷹刀一族と手を結んだ。  敬愛する先輩が〈(ムスカ)〉の手に堕ちてしまい、自らの手で射殺した。  似た境遇に遭ったハオリュウに庇護欲を感じ、彼に協力することにした。   [繁華街] シャオリエ  高級娼館の女主人。年齢不詳(若くはないはず)。  外見は嫋やかな美女だが、中身は『姐さん』。  元鷹刀一族であり、イーレオを育てた、と言っている。  実は〈影〉であり、体は別人。そのことをイーレオが気にしないようにと、一族を離れた。 トンツァイ  繁華街の情報屋。  痩せぎすの男。 ===大華王国について===  黒髪黒目の国民の中で、白金の髪、青灰色の瞳を持つ王が治める王国である。  身分制度は、王族(フェイラ)貴族(シャトーア)平民(バイスア)自由民(スーイラ)に分かれている。  また、暴力的な手段によって団結している集団のことを凶賊(ダリジィン)と呼ぶ。彼らは平民(バイスア)自由民(スーイラ)であるが、貴族(シャトーア)並みの勢力を誇っている。
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