第二話 庵野 和也

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第二話 庵野 和也

 初めて産婦人科を受診したのは久瑠実(くるみ)がまだ二十三歳で、一応念のために、小さくて華奢な身体だけど大丈夫、そう安心するためだった。 「少し妊娠しにくい状態なのかもしれません」  最初に聞いた来栖(くるす)先生の言葉はきっとオブラートに包まれていたのだろう。  こんなことになるなんて。
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