第六話 庵野

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 来栖産婦人科に急いで向かい、案内された病室に入ると、ベッドの上で布団から顔だけをだしている久瑠実が「ごめんね」と謝った。  来栖先生はベッドサイドに立っていて、僕が久瑠実を責めるとでも思ったのか、まるで庇うかのように状況を説明し始めた。 「もともと貧血があったところに、生理と疲れが重なって、倒れてしまわれたようです。少し頭も打たれたようですが、今のところ、貧血以外には大きな問題はありません。今日はこのまま一泊してもらって、少し休まれて、しっかりと食べてもらえれば大丈夫だと思いますよ」
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