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「ごめんね。仕事中だったでしょ? 私は大丈夫だから今からでも戻って」
首を横に振り、頭を撫で続ける。
こんなにも小さな久瑠実が貧血と過労で倒れるまで頑張ったのだ。
撫でられ目を細めている久瑠実を見ていると、僕の気持ちがそのまま口から出ていった。
「もういいんじゃないか?」
久瑠実は途端に目を大きく見開いて、「何を?」と僕の顔を覗き込む。
「もう頑張らなくていいんじゃないか。いや、もう頑張らないで欲しいんだ。僕は久瑠実さえいてくれたら、それでいいから」
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