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庵野さんはスマホの番号も変え、久瑠実さんとはメールだけでやり取りをしようとしたのだけど、久瑠実さんは日に何通も私達を責め立てる長文メールを送り付けてきた。それは読まずにスルーするのが一番いいと保坂に言われて、結局庵野さんは機を見ては非通知設定で電話を掛けて、離婚に同意してくれるよう辛抱強く説得を続けてきた。
久瑠実さんは今日まで一度も首を縦に振ることはなく、話し合いは平行線のまま。
きっと誰も、愛していた人との調停とか訴訟なんてしたくはない。でも庵野さんは決心をしてくれた。
「そっか、そうだね。莉緒のためにも親権とかをきっちりと決めてもらった方がいいし。できれば今後病状が回復しない限りは莉緒に会ってはいけない、という決定を言い渡してもらいたい」
「うん、僕もそう思ってる」
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