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顔を上げるとレインはおかしそうに笑っていた。私は顔も全身も熱くて茹でダコだというのにレインは涼しい顔をしている。こんなに意識していたのは私だけだったらしい。
「そんなに照れられると、ダンスとしてのスキンシップなのに、恋人のスキンシップに思えてしまうよ」
そう言いながらレインは嫌そうな顔は全くしていない。
「ご、ごめんなさい」
「ふふ、可愛い」
私たちは恋人だと宣言してから、レインは好意を全く隠そうとしない。本当に心臓がもたない。
「じゃあセレン、私の部屋に行こうか。待機する時間、今日はずっと一緒にいてくれるよね?」
そして当たり前のように手を繋いで歩み始める。
「では邪魔者は消えますので、何かあったら呼んでください。まあ呼ばれることはないと思いますけど」
カーティスの見守るような視線に気恥ずかしくなり私は慌ててレインの後を続いた。
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