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「……グッ」
「ガッ……」
護衛で雇っている二人がそれぞれ別の方向に吹き飛ばされて建物にぶつかり倒れてそのまま動かない。二人が元いた場所にいた副所長が一人立っていて、細い両手を大きく開いて真っすぐ伸ばしている。
「……!」
そうだ、副所長は魔力が高い。体格のいい二人は強い風にいとも簡単に叩きつけられてしまったのだ。
「……ふふ、さあセレンたん来るんだ!」
副所長は笑顔で私に向かって手を伸ばす。すぐ近くにいたカーティスが私を庇うように前に立ったが、簡単に彼の身体は浮き上がり護衛と同じように建物に叩きつけられた。
「カーティス!」
カーティスはすぐに立ち上がってこちらに向かってこようとするが
「セレンたん!僕のもとへ!」
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