青春オバケ

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 匙子がこちらをまっすぐに見つめてくる。吸い込まれそうなくらい深く透明な瞳だった。 しばらくして画面が真っ暗になった。茫然としている自分がうっすらと映っている。 僕はその後、一日かけて卒業アルバムを探したが、どこを探しても見つからず、テレビ画面に映っていた同級生たちの名前を誰一人として思い出せなかった。
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