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「そういう仕組みだからだろ? 社会が」
「クソだね」
「クソだな」
「そんな汚い言葉使わないでよ」
「お前が先に言ったんだろ」
「クソが」
「誰がクソだよ」
くだらない会話をしている間にも画面には同級生たちが映り続ける。皆、青春に対する考えを語っていく。
「ねえ、あなたにとって、青春って何?」匙子がビデオカメラを片手に訊ねてきた。
「お前」僕は目を見て答えた。
「どういう意味?」
「俺はお前に救われた」
「私は匙子だからね。救うのは得意なんだよ」
「お前にとっての青春って何なんだよ」
僕はビデオカメラを取り、匙子に向けた。
『存在しません』
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