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「あーー…そう、なんだ。じゃあ花子の気持ちが落ち着くまで待ってるよ。」
ニコリと笑って万里はそう言った。
(おお、割とあっさり引き下がったな。なんか逆に怖…まぁいっか、早く購買行かなきゃパン売り切れちゃうし)
「じゃあ私友達とご飯行くから!ほんとごめんね?」
「うん、じゃあね花子。」
こうして私は数量限定ホイップクリーム焼サバパンを求め、その場を後にしたのだった……。
「はい回想終了ォ!いやーホントよく切り抜けたな〜私」
そう自分の努力を称えながら、勢いよくパンに齧りつく。
「いやそんな事より、え、何?アンタ今そんなこの世の終わりみたいなパン食ってんの?」
苦虫を噛み潰したような顔で優子はそう言った。
「え?ホイップクリーム焼サバパンのこと?」
「焼きそばパンみたいなテンションで言わないでくれる?てか臭っ!ホント何なのコレ…うちの学校にそんなゲテモノメニューがあんの普通にショックなんだけど」
「まぁまぁ、一口食べてみなって〜」
「やめろやめろ馬鹿舌女、そんな食べるタイプの地獄をこれ以上私に近づけんな」
(やれやれ、万年いちごミルクばかり飲んでいるヤツに、食の好みに対してとやかく言われたくないものだわ)
この良さが分からない優子に呆れつつ、私はまたパンを一口頬張った。
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