温もり

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「いただきます」 仏壇の前に座って拝むかのように、私は目の前にあるカップラーメンに手をあわせてそう言った。 一人ぼっちになると、つい怠け癖が出てしまう。 食事もそうだが、洗濯は1週間に1〜2回、掃除は何日間してないだろうと指で数えてしまう。 今まで一緒に暮らしていた娘は、社会人となって、一人暮らしを始めた。 ちゃんとやっていけてるのだろうか? 娘に対する不安が絶えない。 夫は単身赴任中である。 定期的に連絡はあるけれど、仕事以外どのような生活をしているのか分からない。 そんな事を考えながら、私は一人寂しくカップラーメンを食べる。 寂しいと言う溝を埋めるため、娘にLINEを送るも「大丈夫だから心配しないで」と返信があるのみだ。 私は「ハァ」とため息をつき、スマートフォンをテーブルに置く。 その時、ふと思った。 「そうだ、夫のところへ行こう」 私は食べ終えたカップラーメンをゴミ箱に捨て、出掛ける準備を始めた。 「彼には内緒にしておこう」 そう言いながら、私は玄関のドアを閉めて、駅へと向かった。
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