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夫の赴任先は、新幹線で2時間程かかる。
近いようで遠い。
だけど「休みの日ぐらいは、家に戻って来てもいいんじゃない」と私は思ってしまう。
「もしかして浮気してる?」
そんな事を考えながら、私は新幹線に乗った。
新幹線の最寄り駅からバスへ乗り継ぎ、私は夫の住んでるアパートに到着した。
鍵を開けて、中へと入る。
以前に来た時と変わらない光景がそこにあった。
「外食が多いのかな」
台所を見ると、水切りカゴに置いてあるお皿やコップに、ほこりが少々かぶっている。
寝室を覗くと、布団は敷きっぱなし、テーブルには飲み干した缶ビールが置いてあった。
女っ気のない部屋で、私は少しだけホッとした。
「とりあえず部屋を片付けて、夫の帰りを待とう」
そう思った時、ブーッブーッと音がした。
スマートフォンのバイブ音だ。
私は鞄からスマートフォンを取り出す。
夫からだ。
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