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国境の長いトンネルを抜けると雪国であった――というのは、川端康成の雪国でお馴染みだが。 俺にとっては違う。トンネルを抜けるとそこには、懐かしいあの夏がある。 暗く長い記憶の海の底を抜けた先に、あの夏が――。
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