43人が本棚に入れています
本棚に追加
逃亡者、逃亡中!
僕らは社会人になった。
タムロ君は、自衛隊で県外勤務。
ボス君は大学生。
日曜日には家に帰ってくるそうだ。
父親からの命令なんだろう。
帰って来たら、僕らの家にもやって来る。
そう言えば、最近、逃亡者君を見掛けなくなった。
逃亡者君は地元の専門学校に行ってるはずだ。
でも、全く連絡がない。
僕達は不思議に思い、逃亡者君の家に行った。
お父さんとお母さんが慌てて出て来た。
「毒グモさん、ワシの息子を見掛けなかったかい?
逃亡するのは毎回だけど、今回と言う今回は許せん!」
僕達は只事じゃない事が起きてるって思った。
「あの奴、入学して3日で専門学校を辞めたんだ!
そして、置き手紙を残して旅に出やがった………」
えーーーーーーーーっ!
専門学校を3日で辞めたの?
お母さんも泣いている。
「高い入学金と前期の授業料を払ったばかりなのに……」
お父さんの怒りは頂点に達してるよ。
「あのバカ息子が!!!!」
そして3ヶ月後、逃亡者君は僕の家にやって来た。
「就職が決まったんだ。
◯◯自動車だけどね。」
何と、逃亡者君は最大手の自動車メーカーに就職したのだ。
県外勤務になるけど、彼は彼なりに考えていたんだね。
でも、大丈夫かな?
また3日で辞めるんじゃないかな?
(その後、逃亡者君は10年がかりで親への借金を返済したそうだ。
入学金、授業料、そして3年前の僕のバイクを壊して、親が支払った借金は莫大な金額になっていたと思う。)
最初のコメントを投稿しよう!