我ら、毒グモ軍団

83/99
前へ
/99ページ
次へ
僕は何となく、彼女達に話した。 「僕達と相席でも構わないんですか? あれだったら、席を譲ります。」 「いえっ、先に来てたのは、そちらですし……」 「いや、いや、どーぞ!」 「いえ、いえ、そちらこそ、どーぞ!」 話し合いは平行線になった。 そして彼女達は、なにらやら、緊急会議に入った。 「私達は、同席でも構いませんよ。」 「えっ、僕らと同席でも良いの……」 いくら、同席でも、お互いの会話には、入らなかった。 それが紳士的なエチケットである。 いやっ、ただ単に、こんな場面に慣れてない僕らは話に入れなかったんだ。 彼女達を気にしつつも、僕らはいつものアホ話をしていた。 でも、僕達のアホ話に彼女達は呆れて笑い出した。 僕達も、ちょっとウケを狙っていたかも知れない。 逃亡者君はついに言った。 「良かったら一緒に飲みません。 この人は運転手だから烏龍茶だけど!」 そしてその後、僕と逃亡者君、そして彼女達と楽しく飲んだ。 彼女達は久しぶりの再会で、2人だけの再会を祝って飲みに来ていたそうだ。 2人の再会に僕達は邪魔したのかな? いやっ、これは神様の運命の引き合わせだったのである。 僕達は彼女達をアパートまで送った。 翌日、僕はこそっと、彼女のアパートに行った。 どうしても僕はもう1度、逢いたかったんだ。 彼女はアパートから現れた。 「あらっ、昨日のひーちゃん。 どうしたの?」 「ち、ちょっと……」 アパートの外で話をした。 もう1人の友達は地元に帰ったそうだ。 「あっ、さっき、逃亡者君も来てたよ。 それで、ちょうど良かったから、駅まで友達を送ってもらったところだよ。」 その後、僕達は仲良しさんになった。 その女性が今の妻です。 すなわち、逃亡者君が骨折して地元に帰って来なかったら僕達の出会いは無かったと思う。 逃亡者君は、私達に見えない、赤い糸を運んで来てくれたかも知れない…… そして、ヘタをすれば、逃亡者君に僕の妻は奪われていたかも知れない。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加