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2年後
「悠斗、行くぞ」
「待って、部屋にスマホ忘れてた!」
僕は慌てて部屋に戻り、玄関へと向かう。
靴を履いてる時、玄関に飾られた写真に目が吸い寄せられた。思わず数秒見つめてしまう。
「ゆうとー」
「わっ!」
ドアがわずかに開いていて、優さんが僕を見ていた。
「どの写真見てたんだ?」
「ないしょ!」
僕のお気に入りは、離婚式の写真。優さんと玲奈さんに挟まれた僕。3人とも幸せそうな笑顔だ。
離婚式に参加してよかったと、今では心から思う。
あの場所からそれぞれ好きな道へと旅立てたから。
僕は鍵をかけて、先を行く優さんの後を追いかけた。
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