社内イチの地味子

3/5
前へ
/633ページ
次へ
 長田は杏樹にとって憧れの先輩である。仕事もできておしゃれで、更には彼氏もいる。  まさに杏樹の憧れを具現化したような存在だった。  そして長田は、杏樹に対して優しい。  噂では怖いとか、冷たいところがあると聞いていたが、接してみるとそんなことは無かった。  きっと彼女を妬む人間たちが好き勝手言っているのだろう。  杏樹はそう思っている。 「今月もまた橘さんを抜けなかったな」 「そうですね。猿田さんの成績も悪くなかったんですけど」 長田と猿田の話が聞こえてくる。  悔しそうにしている二人に「まあ、よくやった」と課長が声を掛ける。
/633ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5472人が本棚に入れています
本棚に追加