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「薗田さんの怪我は回復してきています。このままいけば明後日、水曜日にも退院できます」
それを聞いて岳人は安堵の表情を浮かべる。
「それは良かった」
「ただ、薗田さん少しリハビリを頑張りすぎてしまうところがあるので、患部に負担が掛かってしまうのが気がかりです」
杏樹はそれを聞いて顔を赤くして慌て始める。
「え、それはどうしてそんな無理を・・・」
岳人は怪訝そうに杏樹を見るが、杏樹はこっそりと看護師に手伝ってもらいながら車椅子に乗る。
「杏樹?どうして?」
彼は杏樹に問う。
「・・・早くちゃんと歩けるようになって、岳人さんと・・・仕事したいから」
杏樹は彼の顔を見ずに答え、岳人はますます怪訝そうにする。
そして、杏樹の答えを聞いた理学療法士は「あれ?」という表情になる。
「杏樹、仕事のことなんて考えなくて良い。まずはしっかり休むんだよ」
「・・・分かりました」
「じゃあ、今日はここまでにしましょうか。薗田さん、病室に戻りましょう」
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