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「休憩かい。今日はいい天気だねえ」
後ろから急に柔らかい声が聞こえた。
振り向くと景色に溶け込んだ農家姿のおばあちゃんが笑ってた。
「ああ、どうも」
ぎこちなく返事をし、そそくさとその場を立ち去ろうとすると
「あら!おや!まあまあ」と詰め寄ってくる。
「えっ。えっ」と後ずさる俺の腕をつかみ
「血が出てるやない。あらあらまあまあ」と大袈裟な声をあげた。
ふと見ると、いつ怪我したのか、左腕から血がたらーッと流れてた。
一瞬ドキッとしながらも
「あれ・・。いや、大丈夫ですよ・・」
と、腕を引こうとした瞬間
「早くよくなれー」と言いながら、
なんと、おばあちゃんは自分の指につばをつけて、腕の傷口に
塗ろうとした。
「わーわーわー。やめて。何するんですか!!!」
飛びのく俺のをおばあちゃんは握りしめ離さない。
「このくらいはこれで治るんよ」
とまた、指につばをつけた。
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