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2人が着替え終わるや否や
「洋平、これは浮気ってこと?それとも…」
茶髪の女は、理沙子と言うらしいが
美穂は女の名前など
どうでもよかった
洋平が大阪に来て間もない頃
ガールズバーで知り合ったと言い
理沙子は、洋平に美穂と言う存在がいる
ことを知らずに付き合っていた
この女と遊びなんだ、
俺が愛してるのは美穂だけなんだ
そう言いきってくれたら、美穂だって
まだ気持ちが揺らいだだろう。
結局どっちを選ぶのかみたいな話になった時
ええカッコしいと言うのか、
どっちつかずと言うのか、
ここへきての洋平の優柔不断な態度に
美穂は無性に腹が立った
わざわざ大阪まで来て
なぜこんな思いをしなければいけないのか
なぜ大阪に転勤が決まった時に
プロポーズして、一緒に来いと
言ってくれなかったのか
まだ、遊び足りないんでしょう
忙しい忙しいって、何が忙しかったの?
ほんとは東京にも
他に女がいたんじゃないの?
私は貴方の中の何番目の女ですか?
一度湧き上がった疑惑は
どんどん深まっていく
美穂はプロポーズされたわけでもなく
婚約者でも妻でもない
自由恋愛…慰謝料も請求できない
美穂の怒りは収まらなかったが
こんな不誠実な男など
どうでもよくなっていた
ただ、ここで泣く事だけはしたくなかった
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