商社の男

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「で、木島さん?にお持ち帰りされたわけね」 「行かないよぉ、合コンで会ったその日じゃ」 「おやっ?実はタイプじゃなかった?」 「いや、結構タイプ、だから我慢した」 「軽い女に見られたくないと」 「そ、1回会った位で私と寝られるなんて 甘い甘い、でも連絡先は交換したよ、もちろん」 「あ、そこは抜け目なく」 「明日は初デートってやつ」 「ふぉ〜!」 「将平と別れて約1ヶ月、週末ヒマすぎる」 「1ヶ月って美穂…狩人(ハンター)すぎる」 金曜日の夜は、女子会での恋バナトーク全開 と言って今日のメンバーは、全員一応彼氏持ち みんながするのは自慢話ではなく、 失恋話でもなく、近況報告 大学時代の大切な友人 八重洲口地下街にある居酒屋で飲んでます 「すいませ〜ん、生ビール追加」 「あと、ザンギとタコの唐揚げも追加」 北海道直送の刺身が食べられる気取らない店 ザンギ…鶏の唐揚げだよね 「合コンは、とんと行かないな〜」 絶賛…じゃなくて不毛な不倫中の沙夜が言う サークル仲間だった山之内沙夜は、銀行に就職、 年下の彼と別れて、ついフラッと職場の 上司と不倫関係、だからが付く彼氏持ち 「外では絶対会えないし」 なんてブツブツ言うもんだから 「だから不倫は非効率なのよ」 と、典子(のりこ)にピシャリと言われる
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