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「ん、起きた?」
声もはっきりと聞こえるし、感覚もしっかりしてきた。力も入る。ゆっくり体を起こすと、そこは学校の敷地の中のベンチだった。
「大丈夫?」
女性が心配そうに首をかしがる。
「あの、私」
「道端に倒れてたんですよ」
どうやら、私は女性の膝の上で眠っていたらしい。
死んでないの?あの高さから落ちたのに?
それどころか痛みも、傷一つもない。
おかしい、何かがおかしい。
私、生きてる…?
「あの、私はどこに倒れてました?」
よく見れば、同じ制服を着ている。
だけど、なんだか大人っぽくて綺麗で、どこか儚い雰囲気の人だった。少なくとも、学校で見かけたことは無い。
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