0人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?あぁ、あの辺りかな」
女子生徒の指指した先、そこから視線を上へ上げると、確か私が立っていた場所がある。
私が飛び降りたのは間違いないのだとしたら、ありえないとは思うけど。何かがクッションになったのかもしれない。
もしかして、この人?
いやだとしたら、女性が無事なのもおかしい。
つまり、飛び降りたのは夢…?
「あの、どうしてここに?」
今何時なのだろう。辺りは真っ暗だ、絵具で塗りつぶしたような真っ黒。
「どうしてだろうね」
読めない人だ。穏やかで、包み込まれるようほほ笑み。
「あなたこそ、どうして?」
しかし、その瞳の奥は、強く鋭い眼。まるで射抜かれるみたいに。
最初のコメントを投稿しよう!