悪夢のような現実

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 このあとキャパオーバーになって気を失った俺に非は断じてない。  さらに知恵熱を出し、丸1日寝込んだのも不可抗力。  俺を責めるのはお門違いだ。  だがその間、うなされながらも俺はぼんやりとした頭で考えた。  そもそも、2人が賛成してもほかのその他大勢が反対したら無理だろう。  きっとリカルドは過労かなんかで頭がおかしくなっただけ。  ほかの奴なら"無職"なんて知った瞬間に反対するはず。  そんな俺の淡く儚い希望は······  「おめでとうございます」  「お似合いのカップルですね」  「魔王様! マヒル様! 末永くお幸せに!」  回復した次の日に魔王の部下、総勢(下っ端を含む)1000人越えにお祝いされた瞬間に粉々に砕け散った。  そのあとまた知恵熱を出し、今度は2日間もうなされることに。  悪夢でしかない。  なんで魔王()の嫁にならなきゃいけないんだよ。  しかも、その時の見た夢には両親が出てきて······  『真昼、異世界で俺TUEEEEEができなくて残念だったな。だが、魔王を堕としたお前はある意味勇者だ』  親父は親指を立て、グッジョブ。  『おめでとう、真昼。まさか、魔王を彼氏にするなんてびっくりよ、さすがは真昼ね! 異世界で幸せになるのよ』  そしてお袋も同じようにグッジョブをした。  夢の両親の言葉も最悪だった。
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