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「リューイ······」
「マヒル······!」
「······安心しろ。お前は空回りするけど優しくて、寂しがりの可愛い奴だってわかってる」
絆され、こいつを受け入れたのは俺の意志。
ジョブは"無職"だし、できることは少ない。
それでもできることはやってやろう。
こいつ─リューイには、笑ってほしいと思う自分がいるから。
「約束してやる。他人がお前のことを極悪非道だと言っても、俺はお前の味方のままだ。捨てたりしない」
我ながら臭いセリフだと思う。
でも変な言い回しなんかできないからこうやって直球で言うしかない。
「うん。ありがとう······!」
「言っとくけど、お前も俺のこと捨てるなよ。元の世界に帰れない俺はお前以外に頼れる奴が──」
「そんなことは絶対にしないよ。僕はマヒル以外いらない。マヒルがいないと生きていけない。もし、マヒルが僕から逃げようとしたら鎖をつけて部屋に閉じ込める」
「そーかよ」
重い······
とてつもなく重い。
俺が先に死んだらこいつはどうなるんだ?
寿命の長さがあるからずっと一緒にいるなんて無理だし······
「あっ先に言っておくけど、魔族の平均年齢は600歳で、僕は魔王だし上位の魔族だから1000は軽くいくかな。それに僕、まだ半分もいってないから」
「1000······」
余計に心配になってきた。
こいつは俺がいなくなったあと、長い間生きられるのか?
「でね、魔族は伴侶の寿命を自分と同じにできるんだ。だからマヒルも結構長生きするよ。老いもゆっくりになるから身長、近いうちに止まっちゃうかな?」
「······」
「だからマヒル、これから末永くよろしくね」
「あ、ああ······」
ぼんやりとする頭の中でリューイの言った数字がグルグルしている。
なんか俺、めっちゃ長生きするみたいだな。
てか、身長止まるってマジかよ······
目標の180センチは淡く消え去るようだ。
「マヒル? ごめん。嫌だった?」
······ま、いっか。
「別に。お前を置いて逝かないで済むならそっちの方がいい」
これは俺の本心だ。
1人にして世界を滅ぼすなんてことになったら死んでも死にきれない。
それくらいなら寿命が何倍に伸びた方がマシ。
「あとね、もう1つ」
「はいはい。今度はなんだよ?」
「ちゃんとマヒルを気持ち良くさせるから、遠慮なく快楽に溺れてね。とりあえず、3日はヤり続けようか」
「······」
はい?
俺は思わず視線をリューイの下の方へと向ける。
そしてそこにあるブツを見て、小さくだが思わず悲鳴を上げた。
無理無理!!
死ぬ死ぬ!!
「りゅ、リューイ······! ちょっとタンマ──」
「大丈夫。僕も仕事があるからちゃんと休憩は入れるよ。食事や水分補給も僕がお世話するから」
「······」
俺、4日後生きてるよな······?
寿命以前にこいつの相手して死なないかが不安になってきた。
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