宗田文雄の話③

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宗田文雄の話③

 説明が長すぎる。かれこれ30分はやってるぞ。さっさと楽にさせてくれよ。周りのやつらだってとっくに飽きてるだろう。いいスーツを着たビジネスマン、金はあるだろうに。あの婆さんが持ってるのはじいさんの遺影か、分かりやすい後追いだな。どうせ老い先短いのによ。俺と同じくらいのオヤジ、全く覇気がねぇ。俺もあんなふうに見えてるのか。みっともなさ過ぎる。あの女はいかにもって感じだな、乱れた金髪によれよれの服…っておいおい、あのベビーカーまさか子どもも一緒にってわけじゃ…。 「ええええーーーんんん!!!!ゔえーーーーーん!!!」 「もううっせぇーーーなぁ!!!静かにしろよクソガキ!!」 「項48に移ります。日本憲法22条において保証される自由権的基本権において」  なんだこれは。べピーカーを狂ったように揺らす母親と、それを無視するアナウンサー女もそうだが、周りのやつら気にも留めてねぇ。いやいやいやいや、ちょっと待て、ん?またおかしいのは俺なのか?
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