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Case2
僕は今、監禁されている。
どうしてこうなったのかは分からない。
気づいたらこの部屋に閉じ込められていた。
部屋の中には、僕と見張りのやつが一人いるだけだ。
分かっている事は、僕は何者かに監禁され、実験に使われている事。
見張りのやつは、僕を使って実験をしている何者かに雇われている事。
そしてトイレを除き、決してこの部屋を出てはいけない事。
僕が目を覚ます時、やつは決まってこちらの様子を伺うように僕を見ている。
僕はそれが気味が悪くて仕方がない。
だから、嫌悪感を隠す事なくひと睨みし、そっぽを向いてやった。
するとやつは、その反応に呆れたように小さくため息を吐いた後、
いつも通りの堅苦しい口調で僕に言った。
「おはようございます。朝食の時間です。
食事はそちらに用意しておりますので、きちんと召し上がってくださいね。」
用意された食事なんて何が入っているか分かったもんじゃない。
絶対食べたくない。
僕が食事を口にするのを渋っていると、やつは続けて言う。
「また食事を拒否されるおつもりですか?
貴方の健康管理も私の仕事の内ですので、
あまりしつこいようでしたら、無理矢理その口に突っ込みますよ。」
以前にやつの食事を促す言葉を無視し続けたところ、
鼻を塞がれ口をこじ開けられて、強制的に食べさせられた過去がある。
あれはかなり苦しかった。
誰に雇われているのかは知らないが、
森間と名乗るそいつは、依頼主の命令に対してのみ忠実で、とにかく融通が効かないやつなのだ。
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