ねむり薬

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少しして鍵が開く音がしてやつが戻って来た。 右手には食事の乗ったお盆を持ち、左手にはいつもの薬が握られている。 やつが言うにはそれはねむり薬らしい。 事実その薬を飲むと急に意識が遠のき、あっと言う間に眠りについてしまうが、果たして本当にただのねむり薬なのか、信憑性は乏しい。 監禁までして実験するくらいなのだから、もっと怪しい効果のある薬に違いない。 「どうぞ、召し上がってください。 食事を全部食べ終わりましたら、お薬の時間です。 こちらの薬を飲んでください。」 やつはテーブルにお盆と薬を置くと、淡々とそう告げた。 僕に拒否権など無く、仕方なく用意されたご飯を食べる。 そして覚悟を決めて薬を飲んだ。 するとやはり急速に意識が薄れ、あっという間に僕は意識を失ってしまった。
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