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シュメール人
曰く-。
シュメール人は、日本人の祖先であること。1万年ほど前に枝分かれし、特殊能力を持った上位種族であるシュメール人と平凡な力しか持たない下位種族であるヤマトンチュに分かれたというのだ。
だが、シュメール人は生殖能力が弱く、人数的には圧倒的な少数民族となった。ただ、その身体的な能力はずば抜けていて、時の支配者となって、代々続いてきた。
ところが、江戸幕府の終焉と共に、その立場を追われ、今はひっそりと暮らしているという。
「オレ達いま、少数だし、マイナーな存在だからさ。絶滅寸前なんだよね、あはは」
住留の乾いた笑いは、決して本心ではないだろう。朱美は、そんな話にはあまり興味がなかった。
「それと指輪と、どういう関係があるのよ。もっとさ、簡単に言ってよ。あなた、話が長いわ」
「……気の短い女だな。この指輪は、戦士を作るための指輪なのさ。オレ達支配者が、短期間で人間の脳と肉体をいじって、狂戦士にするためのな」
バーサーカーという中二病が好みそうな単語に、朱美は反応した。
「うわ、出た。中二病丸出しじゃん。何よ、そのバーサーカーって。ある訳ないじゃん。妄想とか、マジ勘弁」
朱美が鼻で笑うと、住留は口を尖らせて、フンと鼻息を荒くした。
「まあ、信じたくないって言うのなら勝手にしたらいい。しかし、お前今、小学生の頃の記憶、思い出せるか? 小学校の名前、言ってみろ」
「小学校の名前? バカにしないでよ。え、ええっと。都、都立、え、ええっと」
朱美は焦った。
出てこない。
「そのうち、全部の記憶なくなるよ。驚異的な身体能力と引き換えにね」
「そ、そんな。バカな!」
ようやく信じたのか。
朱美は、指輪を外そうとした。
「は、外れないっ。ど、どうして」
朱美は慌てた。これまでも、指輪が外れないことはたまにあった。酒を飲んで、体が浮腫んだとか、夜だから、とか。
だが、そういった感じは少しもない。
朱美は指輪をめくって、接触面を確かめようとした。
「い、痛いっ!」
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