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HIS TURN
「うわちゃー?!」
僕はそれを聞いて、堪らず手で目を覆った。
「兄貴、女性の親切にたいしてそんな言い方はないっすよ」
ハードボイルドに生きてきたことなんて、赤の他人には知ったことではない。大人の男が、うら若き女性に向かって不信感を丸出しにするなんて、さすがに下衆に過ぎる。
僕は数年来兄貴と行動を共にしてきたから、特に咎める感性ではないにせよ、この場では極めて非紳士的な発言である。
この後どうなるものかと、はらはらしながら二人の様子を眺めていた。
が、杞憂に過ぎなかったようである。
女はさらりと言った。
「あなたの子どもよ」
兄貴はそれを聞いて、またしても新しい女と事を始めたのだった。
「あ、兄貴?!」
さすがに僕も呆れて言葉を失う。すると頭の上から、またしても笑い声がした。
「ふぉーふぉっふぉっ!」
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