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「バカにつける薬フールキラーX ついに解禁」
翌日の4月2日朝、鹿野は読買新聞の一面の見出しを眺めながらゆったりとソファーに身を委ねていた。誰にも成し遂げられないと信じ続けられてきた偉業の達成。このままいけば偉大なる本庶佑教授や山中伸弥教授と並び、ノーベル医学賞やノーベル生理学賞も望めるかもしれない。
ーー齢70にしてこんなにも大きな夢が見られるとは思ってもみなかった。研究を続けていて本当によかった。
鹿野はそう心の中でつぶやいていた。
トゥルルルルル……
研究室の電話が鳴った。マスコミの取材依頼だろうか?胸を躍らせながら鹿野はすかさず電話に出た。電話ごしに聞こえてきたのは助教の莫川史迦の声だ。
「鹿野先生、大変です。うちの大学の附属病院に、フールキラーXを服用した患者が続々と救急搬送されてきています」
「なんだって???」
鹿野は思わず大声をあげた。
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