20人が本棚に入れています
本棚に追加
DAY1 犬飼くん、告る!
「オレと、つ、つ、つ、つ、つ、付き合って下さいっっっ!!!」
犬飼くんが、「つ」を連発して、叫ぶようにあたしに告った。
犬飼くんは、身長185センチで、バスケ部のエース。
甘いイケメンで、女子にモテまくる。
しかし、その性格が、あまりに素直すぎるため、彼女がいなかった。
例えば、バスケ部のマネージャーに告られて、
「えっ?! うそ?! マジで?! えっ?! マジで?! うそ?! ほんと?! マジで?! ええっ?! うそ?! オレと?! マジで?!……」
……と延々と続き、全く話が前に進まなかったらしい。
マネージャーは、呆れて、その場で犬飼くんと付き合うのを諦めた。
その犬飼くんから、何と、あたしは告られている。
あたしは、犬飼くんと同じクラスの、極目立たない女子生徒。
犬飼くんが、何故に、あたしに告って来たのか、全くの謎である。
しかし、あたしは、この犬飼くんの大型犬のような無邪気な素直さが好きだった。
これから、「犬系彼氏」の犬飼くんとの、ほのぼのした日々を綴っていこうと思う。
最初のコメントを投稿しよう!