犬飼くんのライン

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犬飼くんのライン

犬飼くんのお兄さんが、犬だと分かって、あたしは何だかビックリするのを通り越して、とても疲れてしまった……。 ただでさえ、初デートが予想外に、波乱万丈で、これから犬飼くんの彼女として、やっていけるのか、激しく不安だった。 それでも、それを隠して、犬飼くんとは、別れて家へ帰った。 家で疲れを癒していると、スマホのラインの着信音がした。 見ると、犬飼くんだった。 あ、ちゃんとデートのフォローのラインをするなんて、しっかりしてるじゃん、とあたしは思った。 しかし……。 犬飼『今晩のご飯は、ハンバーグです』 う、うん……? いきなりなんだろう、と思ったけれど、あたしは、ラインを返した。 あたし『そうですか。それは、美味しそうですね!(o^―^o)ニコ』 犬飼『お酒は、飲んではいけませんよ』 は? 何のことだ? と、あたしは思ったけど、一応、返した。 あたし『お酒は、飲めませんけど……』 犬飼『えっ? いつから?』 あたし『ずっとだけど……』 犬飼『嘘を吐くな! 飲み過ぎて酔っぱらって裸で、おまわりさんに捕まったじゃないか!』 は? なんか、おかしい。 あたし『犬飼くん……何のこと?』 犬飼『えっ? 忘れたのか?』 あたし『??? 分かんないけど……』 犬飼『このハゲおやじ! しらばっくれるな!』 ここで、やっとわかった……。 あたし『犬飼くん……ライン、間違えてるよ。これ、あたし。出来立ての彼女だよ……お父さんじゃないよ』 犬飼『えっ? マジで?!』 犬飼くんは、お父さんと間違えて、ラインしてきたのだった……。 2ca7bfff-d686-4fc6-a34b-a25013f00ce7
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