犬系彼氏【完結】

ＤＡＹ４ 犬飼くん、そんなことで？！

週末のデートを終えて、今日は月曜日。

犬飼くんと学校で会った。

先週の金曜日に、いきなり告られて、あたしは、犬飼くんのことが好きだったので、ОＫして、付き合いだして、初デートをした。

しかし、犬飼くんは、予想を超えて、超天然男子だった。

あたしは、付き合いだして、４日目にして、もう犬飼くんの彼女は無理かもしれない、と思い始めていた。

そこで、あたしは、モチベーションをあげるために、ずっと謎だった

「何故に、極目立たないクラスメートである、あたしと付き合いたいと思ったのか？」

……を犬飼くんに訊いてみることにした。

「犬飼くん……今さらなんだけど、どうして、あたしと付き合いたいと思ったの？」

犬飼くんは、目を輝かせた。

「それはさ！」

「う、うん」

「名前が面白かったから！」

「は？」

「だって、サクラサクラ、なんてめっちゃ面白いじゃん！」

あたしの名前は、確かに、サクラサクラ……佐倉さくら、という。

しかし……。

名前が面白いと言うだけで、付き合いたいと、普通思うのか？？？

「上から読んでも、下から読んでも、サクラサクラ！　めっちゃ面白ろ！　はははは！」

犬飼くんは、豪快に笑った。

犬飼！

犬飼！

大型犬のような無邪気さが好きだったけど、アンタ、デリカシーの欠片もないよ！

あたしは、もう、我慢の限界だった……。