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第4章 貧乏神
貧乏神は、老人の姿をして痩せこけ、ボロボロの旅姿です。
「あなたは貧乏神様とお見受けいたしましたが、間違いありませんか。」
「ほほう。俺を見つけるとは只のカラスではない。八咫烏だろう。そうだ俺が貧乏神。貧乏神のびんちゃんと呼んでくれ。」
八咫烏も貧乏神のびんちゃんには呆れましたが、この貧乏神に悪気はないようです。
それが逆に恐ろしいのです。
八咫烏は、神々に言われたように貧乏神に、出雲の国で大宴会をやるので来てくれないかと誘います。
「出雲の国の神々の大宴会にこの貧乏神を誘ってくれるのか。これはありがたい。では酒と豪勢な料理を只で食べさせてもらうか。美女神の酌も良いな。惚れられたりして、後はもっと良いことも。しかし、神達は後で俺に飲食代金を請求しないだろうな。請求しても踏み倒してやるからな。」
やはり抜け目のない貧乏神、只で飲み食いするつもりです。
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