第4章 貧乏神

2/2
前へ
/221ページ
次へ
「しかし、今まで俺を呼んだことない神々が、いきなり俺を呼ぶとはのう。何かおかしい気がするが、信じて良いか。嘘ではなかろうな。」 「貧乏神様。失礼なことを言わないで下さい。正直者の八咫烏が保証します。私について来て下さい。八咫烏は、嘘つきが大嫌いです。」  八咫烏は、一瞬心がギクリとしましたが、これも日本の為とおくびにも出さず嘘も方便だと割り切ります。 「そうか。嘘の大嫌いな正直者の八咫烏が、保証するならば間違いない。」 「では参るぞ。」  貧乏神は、そう言って八咫烏の後をふわりと浮かんで付いて行きます。  出雲の国の神様達は、しめ縄に神力を込めて受け入れ態勢が完了しています。  そこへ八咫烏に連れられた貧乏神がやって来ました。  神様達は、貧乏神に有無を言わさず、神力を込めたしめ縄でぐるぐる巻きにして締め上げます。 「おい。痛いではないか。俺をどうするつもりだ。神達主催の大宴会はどうなった。美味しい酒に料理、美女神の酌は。全部嘘か。お前達それでも神か。」 「うるさい。嘘も方便だ。貧乏神に言われる覚えはない。この諸悪の根源。貧乏神は、地球から追放だ。神力を込めた猿轡をしろ。」
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加