恋の媚薬

7/9
前へ
/9ページ
次へ
作戦を実行してからしばらく経つけど、日に日に好きな気持ちが大きくなっていく。 顔やスタイルはもちろん、笑い方も、話し方も全部好き。 毎日笑顔で受け取ってくれてるし、この休憩時間だけしか話せないとしても嬉しくてたまらなかった。 「チョコの効果は絶大かも」 この席じゃないと成り立たないから、席替えなんてありませんように。新人が入社してくる春まではないよね、きっと。 「お前らって仲良いよな。付き合ってんの?」 ふいうちの織田先輩の声に心臓が跳ねる。 さっきの独り言もしかして聞かれてた……? 「つ、付き合ってなんかないですよ! ただの同期です」 「ふーん? お似合いだと思うし付き合っちゃえばいいのに」 「な、ななな、何を言ってるんですか!」 いけない。動揺しすぎちゃった。 っていうか、先輩にはバレてる気がする。 「もたもたしてたら他の奴に取られるぞー」 その言葉に反応して先輩の方を見ると、意地悪そうに笑われた。 えっ、それって和泉を狙ってる人が現れたってこと? しかも私と違ってグイグイ攻めるタイプだったりする? 「やだなぁ、先輩。和泉のことなんて何とも思ってないですよ。変な冗談は止めて下さい。あはは」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加